モロッコ旅の達人 岩間ひかるです。
古都フェズの旧市街は、周囲をぐるりと緩やかな丘で囲まれて
お椀のような形になっています。
お椀状の旧市街を下へ下へ向かった場所には
カラウィン・モスクや修道院などの重要な史跡や
革なめし地区タンネリーがあります。
自分の身を旧市街の中においている時は、
路地が細いし、全然眺望効かないし、
そもそも自分の現在地すら分からないことが多い。
世界一複雑な巨大迷路であるフェズの旧市街全体を
外野から一望できる場所が
旧市街北にあるマリーン朝の墓地です。
マリーン朝の墓地の成り立ち
13〜15世紀の間栄えたマリーン朝時代のスルタンが
旧市街北側の丘に眠っています。
マリーン朝の墓地自体は、今となっては壁の一部が残るだけですが、
その周囲にはおびただしい数のお墓があります。
マリーン朝の墓地からフェズの旧市街全体を眺める
丘を登りきると、眼下にはフェズの旧市街でもっとも古い
フェズ・エル・バリが端から端まで見渡すことができます。
そのいちばん低いところ、すなわち中心部には
カラウィンモスクやムーレイ・イドリス廟などが見てとれます。
非ムスリムが入場できないこれらの史跡を
外から眺められるのはありがたいことですね。
家々がひしめくとはまさにこのこと。
住まう人々が変わりながらも、
中世以来この景色はずーっと変わっていないのでしょう。
どうしても予定を詰め込んでしまいがちな都市観光ですが、
時間を取ってでもこの眺望は見た方がいいです!
圧迫した旧市街の散策から、あなたの心を開放してくれるでしょう。