モロッコ旅の達人 岩間ひかるです。
2022年の夏、マラケシュはとてもとても暑くて、
8月の上旬に我が家は避暑のトリップに出かけることにしました。
そうして訪れることができた場所のひとつが、
ティンメルのモスク。
この時に拠点として泊まっていた場所が、
湖の見えるOuirgane(ウィルガン)という村です。
アトラス・トレッキングの拠点でもあるウィルガンの村
ウィルガンはハイ・アトラス山脈の中にあります。
ハイ・アトラスの中には、
北アフリカ最高峰4,156mの標高のトゥブカル山があります。
トゥブカル山への登頂を目指す人の多くは、
イムリル村からアプローチを始めますが、
ここウィルガンからもトレッキングができるようです。
ウィルガンの湖はダム湖になっていて、
山肌がそのまま水中に滑り込むような形状。
「もし山の上から板に乗って湖へ滑り込んだなら、、、」
そんな一抹の妄想が頭をよぎる光景です。
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しかし残念ながらこの湖は遊泳禁止。
過去に何人も溺れて死んでしまったため、
今では遊泳禁止になったのだそうです。
したがってウィルガンでの楽しみの主なところは
山歩きになりそうです。
しかし、山歩きは山歩きでも、
ちょっと変わった光景をここウィルガンの近くで見ることができます。
秘密の塩田へ
この付近に、昔ながらの方法で塩を作っている塩田があるという。
モロッコの塩って美味しいので、
私だってなかなか塩の味にうるさくなったんですよ(笑)
これは行かなきゃ!
ってことで、さっそく
道ゆく村人にどうやって行ったら良いか尋ねまくります。
ウィルガンから北のアスニ村方面へ向かう幹線道路から
細道を入って、再び村人に聞きまくって
その塩田はやっとこさ見つかりました。
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その日は付近に住むおじさんが、一人で作業中のようでした。
見渡す限り、白い田んぼと白い小山。
山肌の赤い土の色との対比で
とても非現実的な光景が目の前に広がっています。
![](http://expert-morocco.com/wp-content/uploads/IMG_20220806_115735-768x1024.jpg)
おじさんはひたすら井戸から水を汲み、
田んぼに水を流すという仕事を繰り返していました。
ためしにおじさんが汲んでいる
井戸の水を舐めさせてもらったところ・・・
すえおそろしいほどの塩辛さ!!
それは海水のそれとも違う。
濃くて、しょっぱくて、でも旨味がその奥に潜んでいるそんな味。
しかし舐めた瞬間から顔はしかめっ面になるほどの濃縮度!
いつからこの塩田があるかわからないけれども、
いちばん最初にこんな山深い場所で井戸を掘ったなら、
きっと飲み水を求めてのことだったに違いない。
なのに、こんなに塩辛い水が吹き出すなんて
ガッカリとビックリが入り混じった感情だったに違いない。
田んぼに貼られた地下水は、太陽に照りつけられて
2週間もすれば水分が抜けてからっからに。
塩が乾いたら、田んぼから塩を掬い上げて
塩の山に盛る。
おじさんの仕事は、きっとその繰り返しだ。
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秘密の塩田で秘密の儀式!?
おじさんと話していた夫が、私を呼ぶ。
どうやらコロナ禍でモロッコでも陽性者が増加した時も
おじさんはここで淡々と働くだけだったが
患うこともなくピンピン元気にしていたそうだ。
だから塩って清まるんだぜ!
ってことで、
ここの塩水でキミも浄めよ!
というオススメをいただいたのです。
夫に続き、私もここの濃厚塩水で
顔を洗い、手と足を洗いました。
間違って塩水が目に入ったら大変なので、
目はギュッとつぶったまま。
洗った顔と手足は、8月の太陽と暑さとあいまって
みるみるうちに乾き、白く粉を吹く。
ピリピリと肌を刺激する。
なんだか、アフリカのどこぞの民族が
土着の儀式をしたかのような様相になってしまった。
乾いたらふつうの水で洗い流して
お浄めおしまい!
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自宅でも大活躍の塩
最後に、おじさんから塩を5kgほど直買して
塩田を後にしました。
帰宅ののち、この塩をお料理に使っていますが
味は濃厚でそして深い旨味。
この塩でおにぎり、とやりたいところですが
あまりに粒が大きいので塩むすび用には
さらに粉砕する必要がありそうです。
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しかし、煮物や炒め物に入れる分には問題なく溶け込むので、
とても良い仕事をしてくれます。
秘密の塩田へは、ぜひプライベートツアーで!
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