モロッコ旅の達人 岩間ひかるです。
モロッコを旅していると、
草原で大量の羊やヤギを放牧しているのに出くわします。
ヤギや羊は食肉として日常で食される以外に
毛はウールとして、皮革は革製品にして
貴重な命を余すことなくいただくのです。
皮革は工芸品に加工する前に、腐ったり硬くなったりしないように
革をなめす、という工程を経ます。
その革なめしの工程を見学できることで有名なのが
フェズのオールドメディナであるフェズ・エル・バリの
アンダルシア地区にあるタンネリーです。
タンネリーの成り立ち
タンネリーは、フェズ川のほとりにあります。
丸形や四角形のプールがいくつも連なった作業場では
中世の頃と変わらず、男達が手、というか足作業で革をなめしています。
タンネリーを眺める
タンネリーを見物するためのオフィシャルな施設はありません。
このタンネリーを囲むように、革製品ショップが並んでいて、
ショップの屋上から革なめしの作業の様子を見学できます。
白いプールは、皮の組織を壊して柔らかくし、
皮に残った余分な水分や脂肪、肉や毛を除くところです。
材料として、牛の糞や、ハトの糞をつかっており、
独特の匂いを発生します。
茶色のプールは染色用です。
さまざまな色をしたプールに、職人が腰まで色水に浸かりながら
全身で革をジャブジャブ染め上げます。
とてもハードな仕事です。
でも笑いながら、お喋りしながら職人さんたちは仕事をしています。
そうして染め上げられた革を加工した革製品を
地上に降りる途中で購入することができます。
大きめのバッグなんかも良いですが、
個人的には革のジャケットやスカートの種類が豊富で
買物意欲をそそられます。